2018年08月27日

2回目のヤイリギター訪問記 -3-

前にも来たはずやのに、改めてヘェーとかホォーとか唸りながら、工場をギターが出来ていく順に案内していただきました。

もちろん、最初はただの木。使われる部品の大きさくらいにカットされた木が、まずは寝かされます。十分に寝かされて枯れさせないと、出来上がったあとに歪んできたりするからです。もちろん、寝かした木は目が詰まるかして、音にもいい影響を与えます。使われる部位や木の種類によっては、10年くらい平気で寝かされます。僕も10年くらい寝かしたら、もっとええ歌唄えるかもですね。

やっと出番を迎えた木は、職人さんたちの手によって、少しずつギターになっていきます。

すべての工程が手作りです。
IMG_9733


外は猛暑。工場の中はさらに熱気が籠り、暑さとも格闘しながら作業に励む職人さんたち。
これは重労働やなぁ、、、
そんな中を僕らが通りかかると、手を止めて「こんにちは!」と声を掛けてくださる。仕事の邪魔をして申し訳ない気持ちにもなりましたが、職人の皆さんは、そんなことは微塵も感じていないご様子でした。
仕事が好きで仕事に誇りがあって、じゃないと、こんな風にはなれんやろなぁ、、、接客というのとは違うかも知れないけど、ギターを好きな人も好き、みたいな、ヤイリイズムの根幹を見た気がしました。

ヤイリイズムのもう一端は社員食堂ありました。IMG_9730


社員の方たちが食事に使ったり、製品の紹介を兼ねたライブなどが催されるその場所にあった一枚板の立派なテーブルを触りながら、岩城くんが「これは何の木ですか?」と、冗談かな?と思った問いかけに、「マホガニー」です、と満田さんが答えた。僕と岩城くんが驚いた顔を見合わせてると、先読みした満田さんが「何かの時に材料が足りなくなったら、ギターに使います。あ、床もそうですよ。」と。IMG_9732


よっぽどのことがない限り、床やテーブルをギターに作りかえることはないとは思うけど、充分なストックは安定供給に繋がるし、ギタリストには嬉しいヤイリの価格設定を可能にしている一因かな?と思った。

日常的に人と触れてる床やテーブルって、人懐っこい音がしそうですね。

全ての工程を経て製品として出荷を待つギターは、温度と湿度が管理された部屋で、クラシック音楽を聴きながら過ごしている。
ギターが鳴るのは振動するからで、こうすることで振動に慣らして、少しでも弾き込まれた状態に近付けて、ユーザーに届けるということでしょうか。

僕がもし、木に生まれ変わることがあったら、ヤイリでギターにしてもらいたいなぁ、と思いました。

つづく…



master_bay at 23:40│Comments(0) DIALY 

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