2018年09月24日
2回目のヤイリギター訪問記 -4-
一通り、ギターが作られていく過程を見学させていただいた一行は、最初に入った事務所の2階にあるショウルームに案内していただきました。
2階にあがる階段にはヤイリギターを手にした名だたるミュージシャンの写真パネルが飾られていて、中にはジェリー・ガルシアやポール・マッカートニーも居ました。
ショウルームは30畳ほどにフロアに、上下二段にギターが陳列されていました。
(たぶん)ヤイリギターのカタログに載っている全モデルと、廃盤になったモデルや、職人の遊び心が生んだ珍品まで、所狭しと吊り下げられ、ギタリストのおっさん三人は子供のように目を輝かせ、すぐに自分が気になったギターの前に散らばっていきました。
最初に手にしたのは、ボディーのバックが女性の臀部になったギター。樹脂製でひんやりしていましたが、ついついお尻の割れ目に手がいってしまうのは僕だけではないはずです。どんな音かは忘れてしまいました。(笑)
それぞれが色んなギターを弾きましたが、岩城くんは、なぜかギターじゃないもの、ベースやマンドリンなどを率先して弾いてました。ギターも、もちろん僕なんかよりも遙かに上手です。
その様子は、柳本が撮影して編集してくれた動画をご覧ください。
yairi session
弾いているギターのモデル名も動画に記載してもらいました。
もちろん、どのギターも弾きやすくていい音です。好みと用途に必ず答えてくれるモデルが見つかると思います。
そして、適正価格というかリーズナブルです。
参考になれれば幸いです。
そうこうしているうちに、僕の持ち込んだギターの調整も終わっていました。
松尾さんの手により、問題点もバッチリ解消していただきました。
最後はナイスガイ満田さんに可児駅まで送っていただきました。
車中で満田さんも関西出身とか、少し打ち解けた話ができたのが印象に残っています。
ヤイリギターの皆様、とくには満田さんのお手を煩わせてしまいましたが、楽しい遠足でした。
本当にありがとうございました。
工場見学はどなたでもしていただけます。土曜日やったかな?ご確認の上、申し込んでみてください。
追記、岐阜の居酒屋で一杯ひっかけて帰りました。なぜか娘は玉ねぎの串カツばっかり食べてました。
2018年08月27日
2回目のヤイリギター訪問記 -3-
前にも来たはずやのに、改めてヘェーとかホォーとか唸りながら、工場をギターが出来ていく順に案内していただきました。
もちろん、最初はただの木。使われる部品の大きさくらいにカットされた木が、まずは寝かされます。十分に寝かされて枯れさせないと、出来上がったあとに歪んできたりするからです。もちろん、寝かした木は目が詰まるかして、音にもいい影響を与えます。使われる部位や木の種類によっては、10年くらい平気で寝かされます。僕も10年くらい寝かしたら、もっとええ歌唄えるかもですね。
やっと出番を迎えた木は、職人さんたちの手によって、少しずつギターになっていきます。
すべての工程が手作りです。
外は猛暑。工場の中はさらに熱気が籠り、暑さとも格闘しながら作業に励む職人さんたち。
これは重労働やなぁ、、、
そんな中を僕らが通りかかると、手を止めて「こんにちは!」と声を掛けてくださる。仕事の邪魔をして申し訳ない気持ちにもなりましたが、職人の皆さんは、そんなことは微塵も感じていないご様子でした。
仕事が好きで仕事に誇りがあって、じゃないと、こんな風にはなれんやろなぁ、、、接客というのとは違うかも知れないけど、ギターを好きな人も好き、みたいな、ヤイリイズムの根幹を見た気がしました。
ヤイリイズムのもう一端は社員食堂ありました。
社員の方たちが食事に使ったり、製品の紹介を兼ねたライブなどが催されるその場所にあった一枚板の立派なテーブルを触りながら、岩城くんが「これは何の木ですか?」と、冗談かな?と思った問いかけに、「マホガニー」です、と満田さんが答えた。僕と岩城くんが驚いた顔を見合わせてると、先読みした満田さんが「何かの時に材料が足りなくなったら、ギターに使います。あ、床もそうですよ。」と。
2018年08月23日
2回目のヤイリギター訪問記 -2-
事務所の奥の方から上品なマダムが声を掛けてくださり、来意を告げると、少しお待ちくださいね、と言われたので、おっさんらはキョロキョロしながら、娘はギターケースに座って、担当していただく満田さんを待った。
すぐ隣では打ち合わせか取材かが続いており、おっさん四人と娘一人、明らかに邪魔になるのは自覚していましたが、暑い外に出るのが嫌で、キョロキョロを続けた。
・・・前に来た時にここで、矢入一男先代社長から直々に、いろいろお土産をいただいて、お話もさせていただいたんやったなぁ・・・もういらっしゃらないんやなぁ・・・
ほどなく、背の高い男前のお兄ちゃんが現れた。「初めまして!チョウです。よろしくお願いします!」
11年前に担当してくださった松尾さんは、今はリペアを担当してらして、アーティスト担当の後任がイケメンの満田さんでした。背が高くて、姿勢がよくて、ジョガーパンツがよく似合う、さわやかな満田さんの後について、キョロキョロし続けるおっさん四人がぞろぞろ歩く姿は、どっちがアーティストやねん!いう感じやったと思う。

建物の二階にあがると、そこには11年振りにお会いする松尾さんが作業をしていた目線を上げて、「変わりませんねぇー」と親しみがこもった言葉を投げかけて下さった。「ご無沙汰しております。お忙しいところ急に押しかけてすみません」、とか言いながら、ギターを取り出し、現状の不具合をお伝えすると、「今日は時間大丈夫ですか?3時くらいまではいらっしゃいます?」と。「え?今すぐしていただけるんですか?」とビックリしてしまった。
「もちろんすぐやりますよ、じゃあ、3時までにはあがるので、ゆっくり見て回ってくださいよ」、「お、お願いします!」
てっきり預けて帰って、後日郵送されると思い込んでいた僕の予想を、さらっと良い方に裏切る感じは11年前にもあった。まだ半分呆気に取られたまま、工場を案内してくださる満田さんのあとに続いた。
3につづく・・・